あの日、君は何をした

本を読んだ感想

まさきとしかの長編ミステリ小説。
北関東のある町で平和な暮らしを送っていた一家は、高校入学を控えた息子の大樹が、連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことで、一変してしまう。大樹はなぜ夜中こっそり家を抜け出したのか、そして、なぜ警察の呼びかけから逃げる必要があったのか。
転じて、15年後の2019年、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明になる。事件を担当する刑事の三ツ矢は、捜査を続ける中で、15年前の少年の事故死との関連性に気付いていく。というお話。
小説は二部構成で前半が過去の事件、後半が15年後の現在の事件を描いております。時系列が前後したり、複雑に交錯したりはしないので、とても読むやすいです。次第に二つの事件の関連性や登場人物の繋がりが明らかになってくるのですが、とても面白いです。予想だにしていない接点、そして、最後まで犯人が分からない展開は読んでいて何度も驚きがあり、とても楽しく読めます。
ストーリー自体も面白いですが、登場人物の心理描写がとても巧みです。人間が徐々に狂っていき、狂気を帯びる描写は鬼気迫るものがあり、鳥肌が立ちます。最後まで、気の抜けない秀逸な作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:まさき としか
定価:720円+税
ページ数:365ページ
発売年:2020年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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