森は知っている

本を読んだ感想

吉田修一の長編小説。鷹野一彦の産業スパイとしての活躍を描くシリーズ三部作の第二作目に当たる作品です。
本作は、17歳の鷹野を主人公に据え、鷹野の過酷な生い立ちや厳しい訓練を乗り越え正式に産業スパイのエージェントになるまでを描いたエピソード0的な位置付けにあります。南国の離島で暮らす鷹野が普通の高校生として、淡い青春時代を過ごしている一方、裏では、親から見捨てられ孤児として、産業スパイの秘密組織に引き取られ、エージェントとなることを宿命づけられた過酷な運命を描いております。
鷹野の幼少期が読んでいてとても辛いです。産業スパイとしてしか生きる道がなかった運命に涙があふれてきます。だからこそ、鷹野に肩入れして応援しながら読み進めることが出来ます。
一方、産業スパイとしての展開はとても面白いです。騙していると思っても、騙されているような裏をかく構図がとても面白いです。スケールの大きな壮大な展開はドキドキの連続で、話に引き込まれます。
シリーズ二作目ですが、一作目より時系列が過去のため、本作から読み始めても、とくに違和感なく読み進めることが出来ます。本作単体としても、とても面白いです。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:吉田 修一
定価:650円+税
ページ数:373ページ
発売年:2017年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300