太陽は動かない

本を読んだ感想

吉田修一の長編小説。主人公・鷹野一彦が産業スパイ組織のエージェントとして暗躍する姿を描くシリーズ三部作の第一作目に当たる作品です。
本作は、鷹野と相棒の田岡が、宇宙太陽光発電に係る画期的な技術情報を入手し、国や企業に高値で売りつけようと暗躍する中で、産業スパイ同士の熾烈な情報戦に巻き込まれていくスリリングなアクション劇を描いた作品です。
日本、中国、モンゴルなど世界を股にかけた壮大なアクション劇がたまらなく面白い。登場人物の思惑が複雑に絡み合った展開から目が離せません。敵なのか味方なのか、騙しているのか騙されているのか、先が全く読めないストーリーはとても面白いです。巧みな情景描写により、映像が頭に浮かんでくるような感覚に陥り、とても興奮します。
そして、様々な思惑に翻弄されながらも、冷静に任務を遂行していく鷹野がかっこいい。鷹野がとても魅力的に描かれているため、鷹野を応援しながら楽しく読み進めることが出来ます。冷酷な産業スパイの世界で、心優しき鷹野がとても素敵です。
様々な話が交錯するように、物語は進んでいきますが、話のつなぎ方や切り替えがとても上手いので、混乱することなく、容易に頭で状況を整理しながら読み進めることが出来ます。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:吉田 修一
定価:770円+税
ページ数:522ページ
発売年:2014年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
配送までの日数 2~3日で発送
価格 ¥300