本を読んだ感想

吉田修一の長編小説。日本と台湾を舞台に、台湾新幹線の開業に至るまでの険しい道のりと、そこに関わる人たちの人間模様を描いた作品です。2020年には、NHKと台湾のテレビ局の共同制作で、テレビドラマ化され、両国で放送され話題となった一冊です。
物語は、日本企業が台湾新幹線プロジェクトの入札に成功し、開業させるに至る8年間を時系列に沿って描いております。プロジェクトに関わる様々な登場人物の視点から、物語は展開していき、彼らのプロジェクトへの関わりと人間模様を描いています。
様々な困難にぶち当たりながらも、懸命に前を向き、突き進んでいく姿が胸を打ち、とても感動的です。登場人物が皆、前向きで、高い志を持っており、大変魅力的です。それぞれの登場人物の人物描写の掘り下げも必要十分に描かれているため、思わず感情移入して応援する気持ちで読み進めました。
また、著者の台湾への愛情と造詣の深さが節々から垣間見えます。台湾の雰囲気や情景が文章から伝わってきますし、台湾の人たちの優しさや暖かさを存分に感じます。
場面の転換が比較的多いですが、話の切り分けが上手く、全体の構成がとてもしっかりしているため、スッと内容が頭に入ってきます。プロジェクトも人間関係も、紆余曲折ありながらも、着実に前進していくため、とても楽しい気持ちで読めます。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:吉田 修一
定価:720円
ページ数:475ページ
発売年:2015年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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