半落ち

本を読んだ感想

映画化やテレビドラマ化もされた横山秀夫の長編小説です。映画は、2005年第28回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞し、主演の寺尾聰は最優秀主演男優賞を獲得しています。
現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきたことから物語は動き出します。警察の取り調べに、動機も経緯も素直に話す梶ですが、殺害してから自首までの2日間の行動については、頑なに口を割りません。一体、その2日間に何があったのか、様々な登場人物の視点から真実に迫っていく物語です。
物語は、刑事、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官の6つの立場の異なる登場人物の視点から事件を追う様子を描いております。章ごとに区分けされ、バトンを渡していく形で物語は展開していくため、視点が変わることでの分かりずらさや読みづらさはありません。とても、緻密に構成されたストーリーのため、とても読みやすいです。
登場人物がそれぞれに事件の真実に迫っていくが、組織の隠蔽体質に阻まれて、思うようにいかず葛藤する様がとても面白いです。各人の仕事と心理描写がとても巧みに描かれており、話に引き込まれます。
梶が隠し通したかった思いが明かされるとき、涙を流さずにはいられません。とても、感動的で読みごたえがある作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:横山 秀夫
定価:590円+税
ページ数:360ページ
発売年:2005年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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