クライマーズ・ハイ

本を読んだ感想

日航機墜落事故を題材とした横山秀夫の小説。2004年本屋大賞第2位を受賞し、NHKでテレビドラマ化されたほか、映画化もされた傑作です。
日航機墜落事故という未曾有の大事故の事故現場である群馬県の地方紙記者である悠木和雅を主人公に、事故記事の全権デスクに任命された悠木の奮闘を描いた作品です。
物語は事故そのものよりも、事故に対して一新聞記者がいかに向き合っていくかに焦点を当てており、心の葛藤や人間ドラマが中心的に描かれています。悠木が、社内の人々の様々な思惑や社内政治に翻弄されながらも、自らが果たすべき役割を自分自身に問い、葛藤しながらも困難に立ち向かって行く姿に心を揺さぶられます。
悠木の心の機微がとても繊細に描かれており、話に引き込まれます。全権デスクを託され、時間が逼迫する中で、様々な決断を迫られる悠木。その決断一つ一つが最良ではない点がまさにリアルであり、当時の現場の混乱が文面から伝わってきます。とてつもない臨場感を感じながら、ページをめくる手が止まらなかったです。
事故から17年後の現在の話と事故当時の話を上手に織り交ぜながら進む物語は読みごたえ十分です。とても良質な作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:横山 秀夫
定価:629円+税
ページ数:471ページ
発売年:2006年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥400