影踏み

本を読んだ感想

「ノビカベ」の異名をとる泥棒、真壁修一が様々な謎を解いていくミステリー小説です。短編連作形式で7つの物語を描いております。
短編集であり、一つ一つ物語が完結しているため、とても読みやすいです。スピーディーに展開が変遷していくため、楽しく読み進めることが出来ます。その上で、本筋のミステリーと並行する形で真壁の過去や生い立ちが徐々に明らかにされていく展開が面白く、7つの話を巧みにつなぎ合わせながら進展していくストーリーは読み応え十分です。
本作の特徴的な点として、真壁は19歳で母親の無理心中によりこの世を去った双子の弟の声が聞こえるという設定があり、寡黙な兄と陽気な弟が会話しながら物語は進みます。対照的な二人の会話がとても心地よいため、重い展開でも、どこか軽さを感じる読みやすさがあります。
また、犯罪者ではあるけれども、筋が通った優しい男で、推理力、行動力がある真壁がとにかくかっこいい。同業者の心理を読んだり、警察と駆け引きをしながら、事件の真相に迫っていく姿はハラハラドキドキします。ぐんぐん真相に迫っていく展開はとても面白いです。
ミステリーの推理要素に加えて、登場人物が織りなす様々な人間ドラマも楽しめる満足度の高い作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:横山 秀夫
定価:657円+税
ページ数:395ページ
発売年:2007年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥400