永遠の途中

本を読んだ感想

唯川恵の長編小説。二人の女性を中心に据え、対照的な人生を歩む二人が相手を羨みながら、幸せの形を模索していく物語です。
主人公は、広告代理店に同期入社の薫と乃梨子。どちらも同僚の同じ男性に恋心を抱いていたが、結局、薫が彼と結婚して、寿退社をする。一方、乃梨子はキャリアウーマンとして、独身で仕事一筋に生きる。対照的な人生を選択した二人が、お互いの人生を羨みながら、自分の人生と向き合っていく姿を描いています。
物語は、二人の視点が交互に入れ替わる形で27歳から60歳になるまでを描いております。二人が現実に葛藤しながらひたむきに生きるエピソードが、時に交錯しあいながら描かれていてとても面白いです。まるで、実際に存在する二人の人生を覗いているかのようなリアリティがあって、引き込まれます。構成がとても巧みで、入れ替わる視点や流れていく時間がとても心地よく感じます。
相手の人生を羨んで劣等感を感じたり、逆に、自分の人生の方が良いと優越感を感じたり、女性の心の揺らぎがとても丁寧に描かれていて、感情移入してしまいます。
そして、月日が流れていき還暦となった二人が辿り着く答えが秀逸。とても心が温まります。最後まで、読み応え十分で、とても満足度の高い作品です。

本の説明

著者:唯川 恵
定価:533円+税
ページ数:297ページ
発売年:2007年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月1日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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