失踪症候群

本を読んだ感想

貫井徳郎の症候群シリーズ第一弾。テレビドラマ化もされた人気の作品です。
警察組織が表立って扱いにくい事件を捜査する警視庁の影の特殊工作チームの活躍を描いた作品です。警務部人事二課の環敬吾をリーダーに、元刑事で、現在は私立探偵の原田、托鉢僧の武藤、肉体労働者の倉持の3人がチームとして裏の事件の真相を追います。本作は、若者の連続失踪事件の謎に迫る展開を描いています。
徐々に真相に迫っていく展開がとても面白いです。多くの失踪者の共通点を見つけ出し、そこを足掛かりに失踪のカラクリを紐解いていく流れは、とてもテンポが良く、場面が心地よく移り変わっていくため、スラスラと読めます。予想だにしない方向へ進んでいくストーリーに、時に驚きながらも、とても楽しいです。
環の命令を受け、駒として動く3人のキャラが立っていて、とても良いです。3人の人物像の深堀りも十分にされているので、感情移入出来る点も多く、何より、悪と対峙する姿がかっこいい。
本作は事件の謎を追う本筋に絡める形で、原田の家族問題も描かれています。二つの話の書き分けと、絡め方がとても巧みなので、話により厚みが加わっています。読みやすい文章で気軽に読める作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:貫井 徳郎
定価:620円+税
ページ数:352ページ
発売年:2014年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月1日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300