プリズム

本を読んだ感想

貫井 徳郎のミステリ小説。
小学校の女性教師が自宅で死体となって発見されたことから物語は始まる。同僚の男性教師が容疑者として浮上し、何事もなく事件が解決するかと思いきや、そこから以外な展開を見せていく。
物語は、4章から成っており、各章、教え子、同僚、元恋人、不倫相手の4人の視点から事件の真相に迫る展開を描いている。事実を一つ一つ小出しにしていき、真相に迫っていくスリル感がたまらないです。それぞれの視点から仮説を導き、犯人にたどり着いても、別の人の視点からその仮説が否定される展開が面白い。仮説のロジックもとても上手に出来ており、読んでいて思わず納得してしまうが、あっさりと覆される様は読んでいてとても楽しいです。
4人の語り口からは全く違った被害者の人物像が語られるのがとても面白い。誰からも慕われている素敵な女性という人物像が次第に歪められていく展開は、不思議な不気味さを帯びており、読んでいてとてもワクワクします。
一人の探偵役が4人の証言をつなぎ合わせて、真相を導くという構図ではないため、誰が真実を導くかというと、それは読者自身に委ねられています。斬新なミステリー小説でとても面白いです。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:貫井 徳郎
定価:720円+税
ページ数:304ページ
発売年:2022年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月1日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥400