午前三時のルースター

本を読んだ感想

旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。慎一郎は、ベトナムで失踪した父親を探すために、ベトナム行きを切望していたのだった。運転手ビエンや娼婦メイも加え、慎一郎の父親を探すのだが、事あるごとに何者かに妨害される。果たして、妨害は一体誰が仕組んだのか、そして、父親は見つかるのかーというお話。
父親を捜す慎一郎の旅とその成長を長瀬の視点を通して描いた作品です。ストーリーに無駄がなく、話に引き込まれます。前半で張った伏線を、後半にかけて回収していく展開はとても心地いいです。ストーリー展開に無理がなく、辻褄があっているので、とてもリアリティがあって、最後まで楽しく読めます。構成力の高さを感じる作品です。
登場人物がとても魅力的で素敵です。一人一人の人物像の深堀りがしっかりと描かれているため、個性が光っていますし、感情移入もとてもしやすいです。台詞回しもとても軽妙で心地いいです。
情景描写も多彩で、ベトナムの街の風情や空気感に浸りながら、読み進めることが出来ます。
巧みな文章表現で、一気に小説の世界観に引き込まれる良質な作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:垣根 涼介
定価:670円+税
ページ数:360ページ
発売年:2003年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥400