しゃべれどもしゃべれども

本を読んだ感想

一人前の噺家を目指し、修行の身である今昔亭三つ葉。そんな三つ葉のもとに、ひょんなことから話をすることが苦手な人たちが集まってきて、落語を教えてほしいと懇願する。頑固で短期だが、人情溢れる三つ葉は、そんな彼らの頼みを断り切れず、落語教室を開く。ーというお話。
三つ葉の一人称で進む物語は、まさに噺家がごとく、とてもテンポが良く話に引き込まれます。三つ葉の心情を丁寧に描きながら、ユーモアたっぷりで、明るく暖かい雰囲気に包まれており、とても楽しく読み進めることが出来ます。綺麗な文章で、とても読みやすいです。
三つ葉と彼のもとに集う4人の弟子の個性が際立っていて、素敵です。落語を教えることを通して、4人がそれぞれの抱える悩みと向き合っていくと共に、三つ葉自身も彼らから多くのことを学び、共に成長していく姿がとても微笑ましいです。
4人の悩みが円満に解決しないけれども、4人それぞれが自分の悩み、そして人生と向き合い、彼らなりの答えを導き出し、前に進んでいこうとする姿がとても美しいです。
登場人物の前向きな姿から生きる勇気を貰える素敵な作品です。読後は、とて晴れやかな爽快感で溢れています。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:佐藤 多佳子
定価:670円+税
ページ数:421ページ
発売年:2000年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300