約束の森

本を読んだ感想

殺人事件で妻を亡くし職を辞した元刑事の奥野侑也のもとに、かつての上司から潜入捜査の依頼が入る。それは、田舎のとあるモーテルで働き現地で出会う見知らぬ人間と偽装家族を演じろという理解不能な内容。指定されたモーテルへ侑也が赴くと、そこには若い男女と犬が一匹。そこから始まる奇妙な疑似親子生活、やがて闇に隠れた謎の組織の存在が浮かび上がってくる。ーというお話。
前半は、警察によって集められた暗い過去を背負った3人と一匹の犬の不思議な疑似家族としての生活が描かれており、中盤以降、事件に巻き込まれた3人の血みどろの戦闘劇が描かれています。
謎一杯のストーリーが面白い。上司の依頼内容も意図が分からなければ、関係している組織やその思惑も見えてこない。謎の膨らませ方がとても巧みで、先が気になって仕方がなかったです。そして、次第に潜入捜査の目的や、複雑に絡み合う複数の組織の存在が明らかになってからの、怒涛の展開は圧巻です。ページをめくる手が止まらなかったです。
ハードボイルドのど派手なアクション劇から心温まる人間模様までとても振り幅のある作品です。そのため、全く飽きずに最後まで楽しく読める作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:沢木 冬吾
定価:800円+税
ページ数:589ページ
発売年:2014年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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