コールドゲーム

本を読んだ感想

「いじめ」を題材とした荻原 浩のミステリー小説です。
高校3年の夏、中学2年の時のクラスメイトが次から次へと襲われる。クラスメイトの一人で主人公の光也はクラスでイジメられていたトロ吉の復讐なのではないかと思い始め物語が進んでいく。
極めて計画的に実行されていく復讐がとても怖いです。大怪我を負わせられる者、そして、殺されてしまう者、トロ吉という目に見えない存在がどんどん主人公達に迫ってくる描写がとてつもない緊張感を伴って描かれており、読んでいてハラハラします。スリルとミステリーが上手く交じり合っている展開は、全く飽きず、最後まで駆け抜けるようにして、読んでしまいました。
登場人物の心理描写がとても巧みで、惹きつけられます。いじめをした者、いじめられた者、いじめを傍観していた者、それぞれの心の揺れや葛藤、保身が生々しく描かれており、話に引き込まれます。
社会問題として今も昔も世に根ずく「いじめ」が題材とあって、色々と考えさせられる作品です。トロ吉のいじめの描写はとても凄惨で、胸が締め付けられます。加害者心理としては、4年前のいじめが何故今更と思っても、被害者としては、ずっと苦しめられてきた問題なのだと突きつけられ、思わずハッとしました。

本の説明

著者:荻原 浩
定価:667円+税
ページ数:480ページ
発売年:2005年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
配送までの日数 2~3日で発送
価格 ¥300