深紅

本を読んだ感想

第22回吉川英治文学新人賞を受賞した野沢尚のサスペンス小説。
小学6年の主人公・奏子が修学旅行先で突然家に帰るように言われるところから物語は始まる。詳しい事情を教えられない中、東京の自宅へ戻ると、そこで両親と弟二人が惨殺されたことを知る。8年後、20歳になった奏子は、加害者に自分と同じ年の娘・未歩がいることを知り、素性を隠して近づく。ーというお話。
冒頭から駆け抜けるように、激しく動いていく物語に一気に引き込まれる。修学旅行先から東京へ帰るまでの4時間。不安に押し潰されそうになる中で、家族に何があったのか様々な思案を巡らし、そして、覚悟を決めていく奏子の心理描写がとても丁寧に描かれており、あまりにも辛い奏子の姿に涙があふれてきます。
そして、後半に描かれる二人の出会い。奏子は未歩と会って何がしたいのか、と先が気になって仕方がなかったです。憎悪が渦巻き、いつ何が起こってもおかしくない緊張感がひしひしと伝わってきて、ページをめくる手が止まらなかったです。
とても構成力の高さを感じさせる作品で、ストーリー展開がとても上手いです。読み始めたら、最後まで一気によんでしまうような魅力が詰まった傑作です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:野沢 尚
定価:695円+税
ページ数:464ページ
発売年:2003年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥400