魔笛

本を読んだ感想

野沢尚のサスペンスミステリー小説。
新興宗教の教団の教祖に死刑判決が下された直後、渋谷のスクランブル交差点で数百人の命を奪う爆弾テロが遂行された。妻が獄中にいる訳アリの刑事鳴尾は現場に残された手がかりをヒントに実行犯の照屋礼子を突き止める。彼女はかつて、公安が教団に送り込んだ人物だった。ーというお話。
爆発事件から始まる物語は、事件を追う過程で、新興宗教や公安の関与や思惑が徐々に見えてきて面白い。事件背景も丁寧に描かれており、辻褄があっているため、とても納得できるストーリーで読みごたえがあります。ストーリー展開も、とても心地よいスピード感で進んでいくため、息つく間を与えず、飽きずに最後まで楽しく読めます。
登場人物の心理描写がとても緻密に描かれている点が印象的です。特に、照屋礼子。公安から送り込まれた彼女が何故爆発事件を起こす人間になってしまったのか。その変遷が見事に描かれており、話に引き込まれます。
中盤以降、クライマックスに向けて加速していく展開からは目が離せません。同時並行して描かれていたストーリーが、互いに交錯しあった瞬間は、まさに圧巻。ページをめくる手が止まらなかったです。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:野沢 尚
定価:648円+税
ページ数:432ページ
発売年:2004年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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