犯人のいない殺人の夜

本を読んだ感想

東野圭吾初期の短編集。表題作を含む、全7作品が収録されています。どの作品も一味違ったひねりがあるミステリーです。それぞれに味わいがあり、とても面白いです。
ミステリー自体もとても面白いですが、事件が起こる背景や登場人物の心理描写に焦点を当てた人間ドラマが巧みに展開する点が、とても面白いです。ちょっと切なくなる人間ドラマから、ぞっとするような人間ドラマまで、幅広い人間模様が描かれていて、飽きずに楽しく読めます。
その中でも、表題作「犯人のいない殺人の夜」が印象的です。ある夜、資産家である岸田創介の家で安藤由紀子という女性が殺害された。偶然居合わせた家庭教師の卓也は岸田からの依頼を受け、事件自体を隠蔽しようと画策する。しかし、由紀子の兄・和夫が不審に思い始め、徐々に完全犯罪の綻びが生じていく。ーというお話。
物語は殺人事件があった夜と今の二つの時系列を入れ替わりで描く展開で進んできます。ストーリー展開がとても面白く、話に引き込まれます。構成力の高さを感じる作品で、度々振り返りながら、読み進めることで物語に仕掛けられたトリックが見えてきます。アッと驚く展開がとても面白いです。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:東野 圭吾
定価:552円+税
ページ数:336ページ
発売年:1994年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月6日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300