警察庁から来た男

本を読んだ感想

北海道警察を舞台にした佐々木譲の警察小説。「笑う警官」に続く、“道警シリーズ”の第2作目です。シリーズ物ですが、物語としての連続性はないので、本作から読み始めても十分楽しめる一冊です。
本シリーズは、佐伯と津久井の二人の刑事を中心に据え、腐敗した道警に潜む闇を暴いていく物語です。本作は、二人に加え、道警本部生活安全部に警察庁から特別監察として入ったキャリアの藤川警視正が活躍する姿を描いております。
腐敗した道警の中で活躍する佐伯と津久井がとてもかっこいいです。加えて、藤川警視正も熱い男ですごく良い。その他に登場する刑事も、とても個性豊かで魅力的です。登場人物それぞれに出番がしっかりと与えられているため、一人一人のキャラクターが際立ち、物語をより面白くしています。
物語は、生活安全部に暴力団と癒着している者がいるのでは、と疑念を抱き、調査を進める藤川とそれに協力する津久井の軸とホテルでの部屋荒らしの捜査を進める佐伯の軸の二つの軸で進みます。徐々に二つの軸が交錯し、浮かび上がってくる事実は驚きで、とても面白いです。
とても読みやすい文章で、スラスラと読めます。分かりやすい文章なので、状況を把握しやすいですし、話の繋げ方もとても上手なので、場面の移り変わりに何の違和感も感じず、小気味よく一気に読めてしまいます。

本の説明

著者:佐々木 譲
定価:629円+税
ページ数:346ページ
発売年:2008年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300