キング&クイーン

本を読んだ感想

元警視庁SPの冬木安奈に、チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛依頼が舞い込む。依頼を受けた冬木であるが、様々な事故が彼女を襲う。一体、アンディは何故、そして、誰に狙われているのか。ーというお話。
物語は、正体不明の敵から逃げる現在と、アンディのチェスプレイヤーとしての才能を開花させる幼少期の記憶が交互に描かれる形式で進んでいきます。程よいテンポで二つの時系列が入れ替わるので、とても読みやすいです。
謎を解いていくミステリー的展開と、スリリングな展開が入り混じっていて面白い。巧みな文章表現により、護衛の臨場感がひしひしと文面から伝わってきて、とてもドキドキします。情景描写もとても巧みで、映像として頭でイメージしやすいので、物語の世界観に引き込まれます。
また、チェスやSPという特殊な世界の一端を垣間見ることが出来、とても興味深いです。著者の取材量の多さや造詣の深さに驚かされます。適度に挟まれる挿話がどれも面白く、物語に華を添えています。
そして、最後には驚きの仕掛けが待っています。アッと驚くこと間違いなしです。とても緻密に計算された物語で、満足度の高い作品です。読みやすい文章で、スラスラと読めますのでぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:柳 広司
定価:629円+税
ページ数:384ページ
発売年:2012年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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