罪の声

本を読んだ感想

江崎グリコの社長が誘拐された昭和の未解決事件であるグリコ・森永事件をモチーフとしているサスペンス小説。2020年には土井裕泰監督、小栗旬主演で映画化されている。
京都で紳士服のテーラーを営む曽根は、父の遺品の中からカセットテープを発見する。それは、30年ほど前に発生した未解決の恐喝事件の犯行声明テープであり、幼少期の自分の声が吹き込まれていることを知る。曽根は父親が事件に関与したかどうかを知りたいという思いで事件を追い始める。
一方、同じころ、新聞記者の阿久津も、同様の未解決事件の企画記事に応援要員として駆り出されたことで、事件の調査を始める。ーというお話。
物語は2人の視点で、多くの登場人物を巻き込みながら、展開していく。そのため、場面の展開の頻度は多いが、それぞれが独自に真相を追う中で、次第に秘密が明らかになり、線と線の交点が生まれ、事件の真相へと迫っていく描写は大変緊迫感があり、物語に引き込まれる。
フィクションではあるが、実際に発生した事件をもとにしているためか、大変リアルティがある点も作品の魅力の一端となっている。事件を知っている方はもちろん、知らない方でも十分に楽しめる作品だと思われる。

本の説明

著者:塩田 武士
定価:920円+税
ページ数:544ページ
発売日:2019/5/15

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月9日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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