第三の時効

本を読んだ感想

横山秀夫による連作警察小説。表題作を含む、全6話が収録されています。F県警の捜査第一課・強行犯捜査一係の活躍と葛藤を描いた短編集です。テレビドラマ化もされた大ヒット作品です。
主人公は、強行犯捜査一係第1班班長・朽木、第2班班長・楠見、第3班班長・村瀬の3人の班長で、各話で主役が交代していきます。3人の個性が色濃く描かれていて面白いです。それぞれ信念や捜査へのアプローチが違うため、各話とも新鮮で、読みごたえがあります。
しかし、事件解決への思いは3人とも凄まじい執念を持っており、警察内部の生々しい人間模様を描きながら、圧倒的な熱量で、解決へ向けて突き進む展開は、圧巻。話に引き込まれて、ページをめくる手が止まらなかったです。
ストーリー自体も、短編でありながら、ひとひねりあるトリックが仕掛けられていたり、最後にどんでん返しが待っていたり、とても面白いです。どの話も、ミステリーとして構想がしっかりと練られており、二転三転する展開に、何度も予想を裏切られます。
短編集ですので、とても展開が早く無駄がないため、読みやすいです。それでいて、登場人物や人間模様などは各話で繋がりがありますので、全体としての満足感も高いです。とても良質な作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:横山 秀夫
定価:720円+税
ページ数:424ページ
発売年:2006年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥400