向日葵の咲かない夏

本を読んだ感想

直木賞作家である道尾秀介によるミステリー小説。第6回本格ミステリ大賞候補にもなった大ベストセラー作品です。
主人公のミチオは、夏休み前の終業式の日に、先生に頼まれ、休んでいたS君の家に書類を届けに行くが、そこで、首を吊って死んでいるS君の姿を目撃する。急いで学校に戻り、担任の岩村先生に伝え、岩村先生と警察が家に行ってみるとなぜか死体はなくなっていた。
1週間後、ミチオの前にS君があるものに姿を変えて現れ、“自分は殺されたんだ”と訴える。ミチオは妹のミカと共に、S君を殺した犯人を探すこととなる。ーというお話。
ミチオの一人称で進んでいく物語ですが、心理描写が少なく人間味を感じないミチオの視点は、どことなく不気味で不思議な雰囲気を醸し出しています。また、現実に幻想が入り混じるような独特な世界観が全体を包んでおり、読みやすい文章に釣られるようにして、次第にその世界観に引き込まれていきます。
ミステリーでありながら、ホラー小説のような怖さがあり、背中がぞっとするような感覚に何度も襲われます。ストーリーの運び方がとても巧みで、伏線を回収しながら真相が明るみになっていく展開は圧巻です。衝撃のラストには、思わず唸ります。

本の説明

著者:道尾 秀介
定価:750円+税
ページ数:470ページ
発売年:2008年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
配送までの日数 2~3日で発送
価格 ¥400