水曜の朝、午前三時

本を読んだ感想

蓮見 圭一のデビュー作にして、ベストセラーとなった恋愛小説です。
45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、一人娘に遺した4巻のテープ。そこで語られていたのは、堅苦しい家柄に反発し、半ば家出のような形で大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。ーというお話。
本作は直美の語り口で綴られた臼井との恋物語です。ただの恋愛物語ではなく、胸に突き刺さるような人生の教訓が多く含まれており、とても奥深い作品です。
直美という女性がとても魅力的で美しいです。臼井との恋愛には様々な障壁がある中で、自分の気持ちに正直に、人生を全力で生きていく姿が胸を打ちます。
舞台となっている大阪万博が開催された1970年代の時代背景が色濃く反映された作品で、当時の時代感を強く感じます。また、情景描写も非常に鮮やかで、文面から映像が浮かんでくるような臨場感があり、一気に小説の世界観に引き込まれます。大阪万博が舞台ですが、全く古さを感じずとても洗練された良質な作品です。当時を知る世代も、知らない世代も誰もが楽しめる一冊です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:蓮見 圭一
定価:640円+税
ページ数:312ページ
発売年:2017年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300