恍惚病棟

本を読んだ感想

山田 正紀のミステリー小説。
聖テレサ医大病院の老人病棟に入院している認知症の老婆が突如、行方不明になった。近所で倒れているところを病院アルバイトの学生・平野美穂が発見するが、直後に老婆は死亡。やがて同じ病棟の老人が次々に不可解な事故に巻き込まれていく。ーというお話。
物語は平野美穂が患者を救うべく、真相に迫っていく構図で展開していきます。病院という閉鎖的な空間を舞台にしており、誰を信用していいのか分からない不気味な雰囲気が作品全体を覆っており、独特な世界観がとても良いです。テンポよく話が進んでいくため、次第にその世界観に引き込まれていき、ページをめくる手が止まらなかったです。
ストーリー自体は本格ミステリでとても面白いです。犯人が最終盤まで分からないため、ワクワクしながら最後まで読み進めることが出来ます。読者を欺くトリックや意外な伏線回収といった仕掛けが随所にあるため、とても面白いです。
平成初期の作品のため、携帯電話がなかったり所々で時代を感じます。ただ、物語の本筋には特段影響ないため、現在でも十分に楽しめる作品です。とても構成力の高さを感じる作品で、ストーリー展開に無駄を感じない良質な作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:山田 正紀
定価:760円+税
ページ数:411ページ
発売年:2020年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300