13階段

本を読んだ感想

高野和明のデビュー作である長編ミステリー小説。第47回江戸川乱歩賞受賞作品にして、映画化もされた大ヒット作品です。
模範囚として早期の仮釈放を受けた青年・三上純一と定年間近の刑務官・南郷正二が、老夫妻を斧で惨殺した事件の罪を問われ死刑判決を受けた男の冤罪を晴らすため、事件の真実を追う物語です。唯一の手がかりである、犯行時刻の記憶を失った死刑囚の男の脳裏に蘇った「階段」の記憶を頼りに調査を開始する所から物語は動きだします。
本格ミステリーでとても面白いです。二転三転する予想だにしない展開には、思わず声が出てしまうほど驚きます。ストーリーの運び方もとても巧みで、無駄を全く感じず常にワクワクしながら読み進めました。伏線を回収しながら、謎が次第に明らかになっていく終盤は圧巻。綺麗にまとめられていて、とても満足度の高い作品です。
三上と南郷のコンビがとても良いです。二人が協力しながら、事件の真実に迫っていく展開は爽快です。心理描写も丁寧に描かれているため、人物像を掴みやすく、二人を応援するような気持で読み進めました。
また、死刑制度の在り方を問うような問題提起的な側面も含まれており、非常に考えさせられる重厚な作品です。とても完成度の高い素晴らしい一冊です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:高野 和明
定価:648円+税
ページ数:400ページ
発売年:2004年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月19日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥400