宇宙でいちばんあかるい屋根

本を読んだ感想

野中ともその長編ファンタジー小説。中学3年生の少女と「星ばあ」と呼ばれるあやしい老婆とのひと夏の交流を描いた作品です。これを原作に、2020年には映画化もされています。
主人公である中学生の大石つばめは、書道教室の入る雑居ビルの屋上で、謎の老女・星ばあと出会う。口は悪いが、大切なことを教えてくれる星ばあと、次第に仲良くなっていくつばめ。しかし、ある日、星ばあはいなくなってしまう。ーというお話。
大人になりきっていない中学生ならではの、多感で揺れ動きやすい繊細な気持ちの描写がとても丁寧に描かれていて惹きつけられます。そして、星ばあとの交流を通じて、つばめが成長していく姿が美しいです。成長していく過程に、違和感がなく、とても共感できるため、微笑ましい気持ちで読み進めることが出来ます。
口の悪い星ばあのキャラクターが立っていてとても良いです。つばめと星ばあとのやり取りが、時に笑いにあふれ、時に涙を誘ったりと、起伏に富んでいるため、飽きずに楽しく読めます。
作品全体を心地よい雰囲気が覆う素敵な作品です。二人の交流を中心に描かれていながら、きちんとストーリーがあり、場面が移り変わっていくため、最後まで面白いです。

本の説明

著者:野中 ともそ
定価:600円+税
ページ数:248ページ
発売年:2020年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥400