母性

本を読んだ感想

湊かなえのミステリ小説。映画化もされたベストセラー小説です。
ある日、女子高生が自宅の中庭で倒れているのを母親が発見する所から物語は始まります。事故か自殺か真相が分からない中、母娘それぞれの視点から見た物事が語られる形で物語は展開していき、徐々に真相が明らかになっていきます。
母娘の歪んだ関係性が描かれている作品です。同じ出来事なのに、二人の視点からは、全く異なる捉え方をしているのが面白い。誰の証言が真実で、誰の証言が誤りなのか分からない不安定さが良いです。お互いを思いやる気持ちを持ちながらも、すれ違う2人の姿がとても切ないし、やるせない。2人の心理描写がとても丁寧に描かれており、また、そこに至るまでの背景も丁寧に描かれているから、どちらにも共感できます。
また、ストーリー自体もとても面白いです。徐々に、明らかになる事実が気になって仕方がなかったです。そして、事実の出し方がとても巧みです。程よいテンポで、事実が明らかになっていくため、読んでいてとても心地よかったです。作品全体の構成力の高さを感じます。
文章も非常に読みやすく、特に心理描写の表現は多彩で、読み応え十分の作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:湊 かなえ
定価:590円+税
ページ数:359ページ
発売年:2015年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥400