大きな森の小さな密室

本を読んだ感想

小林 泰三のミステリー小説。表題作を含む、7つの短編が収められています。
7話全てミステリーのジャンルが異なるため、どの話も新鮮味があって楽しめますし、とても読みごたえがあります。目次に、読者が犯人を当てる「犯人当て」や、「倒叙ミステリ」など、どういった類のミステリーなのか記載されているので、とても読みやすいです。
短編であるため、展開は速いですが、どの話も構成がしっかりしているため、展開の違和感や矛盾点がなく、話のつながりの辻褄があっているため、展開の速さがとても気持ちいいです。また、短編でありながら、ストーリーに過不足を感じず、とても綺麗にまとまっているので、満足感が強いです。
短編集であり、話ごとに探偵役は異なりますが、次の話にバトンを繋ぐ形になっており、話をまたいで同じ人物が登場するといった仕掛けがあってとても面白いです。また、登場人物の個性がとにかく強くて、登場人物が織りなすやり取りに思わず笑ってしまいます。
様々なジャンルのミステリーを楽しめる内容の濃い作品です。ミステリーでありながら、緊張感というよりも、むしろ作品全体を穏やかな空気感が包んでおり、その独特な世界観に引き込まれます。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:小林 泰三
定価:840円+税
ページ数:356ページ
発売年:2011年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300