ゴールデンスランバー

本を読んだ感想

伊坂幸太郎のサスペンス小説。映画化もされた大ヒット作品です。
時の首相が暗殺され、国家権力の陰謀により、犯人に仕立て上げられた青年・青柳雅春。青柳は迫りくる追手から必死に逃れながらも、彼を陥れようとする陰謀の正体に迫っていく。というお話。
追手が徐々に迫ってくる緊張感が凄いです。メディアや大衆心理の力で、既成事実が作り上げられていく恐怖を感じます。細かい描写に、とてもフィクションとは思えないリアリティを感じます。
ただ、緊張感の中にも笑いがあるので、読んでいてとても面白いです。物語には様々な人物が登場しますが、登場人物間のやり取りがとても軽妙で話に引き込まれます。また、各登場人物の心理描写がとても丁寧に描かれていて素晴らしいです。各登場人物が信念を持ち、その信念に従って行動する姿が美しいです。
語り手の視点や時系列が切り替わりながら、物語は進むのですが、その切り替えがとても巧みです。全く頭が混乱しませんし、話が複雑になればなるほど、面白味が増していきます。そして、伏線の回収がとても見事です。至る所に散りばめられた伏線が一気に回収され、一本の線となっていく展開はお見事。全く次が読めない展開に、本を読む手が止まらなかったです。

本の説明

著者:伊坂 幸太郎
定価:1000円+税
ページ数:690ページ
発売年:2010年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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配送の方法 クリックポスト
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