凍える牙

本を読んだ感想

乃南アサのミステリー小説。直木賞受賞作にして、二度ドラマ化された大ベストセラー小説です。
深夜のファミリーレストランで、突如客の男の体が炎上し、死亡する事件が発生。遺体の足首には、犬に咬まれた様な咬み痕が残されていた。捜査本部が組まれ、機動捜査隊の刑事・音道貴子は、中年刑事の滝沢と組み捜査に当たる。その後、犬にかみ殺される同様の事件が多発。事件の真相はどこにあるのか。二人の刑事が迫っていく。ーというお話。
主人公の女刑事・音道と先輩刑事・滝沢の関係性が素敵な作品です。男社会の警察組織の中で、理不尽な扱いを受け苦しみながらもたくましく生きる音道とそんな音道を見下すように扱う滝沢。そんな二人が事件の捜査を進めていく中で、お互いを少しずつ認めていき、信頼関係を築いていく変化が、とても繊細に描かれており、面白い。ミステリー小説でありながら、人間模様がとても丁寧に描かれている作品です。
一方、ミステリー的展開もかなり面白いです。オオカミ犬『疾風』がストーリーの中心に位置している点が、この作品の特色であり、かなり斬新で惹かれます。『疾風』の悲哀も丁寧に描かれており、『疾風』が作中に登場してからは、面白さに拍車がかかっています。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:乃南 アサ
定価:705円+税
ページ数:520ページ
発売年:2000年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300