銀漢の賦

本を読んだ感想

葉室麟の時代小説。第14回松本清張賞受賞作品にして、NHKでテレビドラマ化もされた傑作です。
中心人物は、身分が低い武士の日下部源五と名家老との呼び声高い松浦将監の2人。ある時、源五は新田の視察をする将監の案内役を務めることになります。今でこそ、身分の差はあれど、かつては同じ剣術道場で切磋琢磨した幼馴染の二人。しかし、過去のある出来事をきっかけに長い間絶好状態にありました。そんな二人の人生が再び、交差する時、物語は大きく動き出します。
物語は現在と過去を行き来しながら進んでいきます。何故こうも身分の差がついたのか、何故絶縁状態にあったのかといった謎を解き明かすために、過去の生い立ちが描かれています。徐々に秘められた過去が明らかになっていく展開はとても面白いです。ワクワクしながら読み進めました。
物語で描かれているのは、美しい男の友情であり、そして、武士としての男の熱い生き様です。源五と将監が進んできた人生の気高さに触れ、思わず涙があふれてきます。終盤にかけて、加速していく展開からは、目が離せません。のめり込んで、一気に読み進めました。
また、著者の美しい文章が物語を鮮やかに彩っています。頭にスッと入ってくる無駄のない文章は見事です。

本の説明

著者:葉室 麟
定価:560円+税
ページ数:283ページ
発売年:2010年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月26日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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