夏と花火と私の死体

本を読んだ感想

乙一のホラー小説。著者のデビュー作にして、16歳の時に執筆した作品です。
9歳の夏休み、五月は友だちの弥生に、あっけなく殺される。気が動転した弥生は自分が殺したことは隠し、兄の健に相談する。兄は死体を隠すことを提案する。果たして、兄妹は迫りくる大人たちの追及から逃れ、死体を隠し通すことが出来るのか。ーというお話。
物語は、殺された五月の「わたし」の視点で進みます。この斬新な設定が、異様な世界観を生み出しており、読者を引き込みます。五月が自らを殺した兄妹に恨みを持っているような感情的な描写がなく、事象を淡々と客観的に述べるのが、とても不気味。背中がぞわっとするような恐ろしさを抱きつつも、どんどん読み進めてしまいます。
ストーリーは死体を隠そうと奔走する兄と妹の数日間を描いております。巧みな情景描写で、臨場感が凄いです。死体を運ぶ場面・隠す場面では、誰かに見つかってしまうのではないかと兄妹の立場になって、ハラハラドキドキしてしまいます。
死体を隠す過程で、様々な事件が起こる展開が面白いです。テンポよく、場面が移り変わっていくため、最後まで飽きずに読めます。とても読み応えがある作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:乙一
定価:420円+税
ページ数:224ページ
発売年:2000年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月27日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300