父からの手紙

本を読んだ感想

ミステリーの中に家族愛を描いた小杉 健治の感動作。
結婚を控えた麻美子の元には毎年手紙が届く。それは、10年前失踪した父親からの手紙であった。そんな麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟の信吾が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟が危機に瀕する中、次第に父親の秘密が明らかになっていく。ーというお話。
物語は、麻美子の物語と義姉のために殺人を侵し服役していた秋山圭一という男が出所する物語の二つの軸が交互に描かれながら進んでいきます。共通点がない二人の話が、どう交差していくのか気になり、ページをめくる手が止まらなかったです。
次第に、麻美子と圭一の繋がりが見えてくる展開がとにかく面白い。徐々に増えていった謎が、二人のつながりが見えてから一つまた一つと消化されていく過程がとても爽快で、読んでいて気持ちいいです。ストーリーも予測できない意外な方向へ転がっていくので、最後まで目が離せないです。
そして、ミステリーの中に描かれる親子愛が美しいです。真実が明らかになったときは、思わず涙があふれてきます。ミステリーと親子愛が絶妙なバランスで描かれていて、とても奥が深く、満足度が高い作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:小杉 健治
定価:648円+税
ページ数:428ページ
発売年:2006年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年3月27日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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