るり姉

本を読んだ感想

椰月 美智子の家族小説。十代の3姉妹が「るり姉」と慕う叔母を、るり姉を取り巻く5人の家族の視点からバトン繋ぎで描いた連作短編集です。
3人の姪たち、姉、夫、の5人の視点から語られる「るり姉」がとても魅力的で素敵です。また、「るり姉」のみならず、各人物が生き生きと魅力的に描かれているため、登場人物間のやり取りが面白い。物語としては大きな起伏はなく、何気ない日常を描いているのですが、どんどん話にのめりこんで、すらすらと読めてしまいます。
5人と「るり姉」との関係性がとても素敵です。お互いを大切に思っているのが文面からひしひしと伝わってきてとても心が温まります。天真爛漫で明るい人柄の「るり姉」が愛くるしくて読んでいて笑顔になります。
誰からも慕われる「るり姉」ですが、3人の姪から見たら明るくて大好きな叔母さんでも、姉から見たら世話の焼ける妹だったりと各人の視点から描かれる「るり姉」が少しずつ違うのが面白いです。
物語は視点の切り替えや時系列の移動があるため、単調にならず飽きずに最後まで楽しく読み進めることが出来ます。愛する人に囲まれながら過ごす日常は、平凡のように見えて奇跡なのだなと実感する素敵な一冊です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:椰月 美智子
定価:600円+税
ページ数:220ページ
発売年:2012年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年4月20日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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