三軒茶屋星座館

本を読んだ感想

三軒茶屋の裏路地にあるプラネタリウム兼バー「三軒茶屋星座館」を舞台にした小説シリーズの第一作目です。
物語は、三軒茶屋星座館を経営する和真の元へ、十年ぶりに弟の創馬と小学生の娘・月子が押しかけてくるところから始まります。期せずして、創馬と月子と一緒に暮らすことになった和真。物語は、3人の奇妙な共同生活の軸とバーを訪れる人々が抱える悩みを和真が解決していく軸の二つの軸の展開が描かれています。
短編集の形式で全5章から構成されており、各章ごとに星座が一つ設定されています。そして、その星座に関するギリシャ神話が和真によって軽妙に語られ、バーの客の悩みの解決の糸口を探っていきます。
とにかく、和真によって語られるギリシャ神話が面白いです。和真の独特な解釈で現代風にコミカルにアレンジして語られるので、思わず笑ってしまいますし内容もスッと頭に入ってきます。そして、バーを訪れる人達の悩みや人生とその話が絶妙にリンクする部分があって面白いです。
また、短編集でありながら3人の共同生活に係るストーリーは徐々に進展していくので、そちらの展開からも目が離せないです。笑いあり、涙ありでとても内容が詰まった一冊です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:柴崎 竜人
定価:680円+税
ページ数:368ページ
発売年:2016年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年4月20日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300