聖の青春

本を読んだ感想

29歳という若さでこの世を去った将棋棋士・村山聖の壮絶な生涯をつづったノンフィクション小説。第13回新潮学芸賞をはじめ様々な賞を受賞したほか、テレビドラマ化や映画化もされた大変評価の高い作品です。
幼少期に腎ネフローゼという重い病を患い、入退院を繰り返し難病と戦う中で、将棋の魅力に惹かれ、将棋界の最高位である「名人」を目指し戦い続けた村山聖の生涯を描いた作品です。
自らの死期が迫っていることを悟りながらも、将棋界で高みを目指し、夢を追い続ける意思の強さが凄まじいです。厳しい将棋の世界で、羽生善治などのトップ棋士達としのぎを削る描写は鬼気迫るものがあり、読んでいて圧倒されます。しかし、確実に迫ってくる死。後半は涙なくしては読めませんでした。
生前、村山氏と交流のあった元将棋連盟編集部の大崎氏が著者のため、努力を惜しまず純真な村山氏の人柄や村山氏の温かい周囲の人達との交流が描かれていて、興味深い内容が詰まった一冊で、とても面白いです。特に、森信雄師匠との師弟関係が美しくて、読んでいてとても温かい気持ちになります。
人生は限られているからこそ、毎日を大事に全力で生き抜いていかなければならないと感じさせてくれる良質な一冊です。

本の説明

著者:大崎 善生
定価:640円+税
ページ数:432ページ
発売年:2015年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年4月20日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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