きみの友だち

本を読んだ感想

足が不自由な主人公・恵美ちゃんとその周りの友達との思春期ならではの友人関係を描いた作品です。物語の構成としては短編の連続で、各章ごとに一人の登場人物に焦点を当て物語は進んでいきます。ただ、読み進めていくうちに、それぞれの短編がつながりを持っていることに気づき、大変読みごたえがあります。
小学校から高校時代の多感な時代の登場人物を甘酸っぱく描いており、思春期ならではの心の葛藤や成長がリアルに感じられます。子供の心理描写がとても繊細で巧みで、自然と話しにのめり込んでいきます。
どの登場人物も、思春期ならではの心の不安定さや弱さを抱えており、その不安定さゆえに、周りと対立したり傷つけてしまうのですが、その人物を否定するのではなく、主人公・恵美ちゃんを通じて優しく包み込んであげるという暖かさが詰まったお話です。
大人が読めば、自分もこんなことあったな、とか、こんな子いたよなとか毎日必死だったなーとか色々懐かしい気持ちが蘇ってきて、楽しく読み進められると思います。
また、現役の小学生や中学生が読めば、今のままでいいんだと自分を肯定できるような気持ちになると思うので、ぜひ読んでみてほしいです。おススメの一冊です。

本の説明

著者:重松 清
定価:590円+税
ページ数:436ページ
発売年:2008年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月15日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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