告白

本を読んだ感想

湊かなえによるサスペンス小説。松たか子主演により2010年に映画化されたことでも話題になったかと思います。
我が子を校内で生徒に殺された女性教師が、復讐をするというお話です。全6章の構成となっていますが、各章で「級友」「犯人」「犯人の家族」と語り手が入れ替わり、異なる切り口から事件が描かれています。
一方通行で話が進むのではなく、真実が二転、三転しながら真相を明らかにしていく過程がとても面白いです。登場人物それぞれが語る事件が完璧なものではなく、主観に支配された思い込みや、嘘が含まれているため事件の全体像を複雑にし、だからこそ読み進めるにつれ着々と全体像が見えてくるのは快感だった。
また、あちこちに散りばめられた伏線や疑問が、思わぬところで回収される爽快感もあり、読みだしたら止まらず読み進められました。語り手が変わる複雑さはありますが、それによって読みにくいという印象は全くなかったです。
人間臭さと言うか人間の醜い部分や弱さ、脆さが存分に描かれているのが、本作の魅力だと感じる。復讐は何も生まないといった綺麗事では済まない、人間社会の救いのない残酷な世界がこれでもかと描かれているから、とても読みごたえがある。

本の説明

著者:湊 かなえ
定価:619円+税
ページ数:317ページ
発売年:2008年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月15日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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