塩の街

本を読んだ感想

有川浩によるライトノベル作品。
ある日、突如として降り注いだ謎の結晶によって、体が塩になる「塩害」という病気が世界を浸食し、多くの人が死んでいく中、両親が塩化して亡くなった女子高生・真奈と空軍パイロット・秋庭が出会い、互いに惹かれていくという恋愛物語。
人々が塩化していくという設定がとてもおもしろい。フィクション的な側面は確かに強いが、塩化で死んでいく人々の葛藤や恐怖、そして残された人々の苦しみが丁寧に描かれており、その時々の登場人物の心情がとてもよく理解できるので、本作の世界観にすんなりと入ることが出来る。
単純にSF小説として、塩化により人々が死んでいく世界を生き抜き、世界を救う的な側面もとても面白く楽しめるが、本筋は“秋庭”と“真奈”の恋物語。寄り添いあい生きていく2人の恋模様がお互い不器用で読んでいてドキドキした。また、危機的な状況の中で、他人を思いやり励ましあう人間の優しさを面白く表現しているのが印象的で胸がほっこりした。
「世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた」というキャッチフレーズ通りの作品。本編終了後を描いた番外編も面白く、読む手が止まらなかった。ぜひ読んでみてください!!

本の説明

著者:有川 浩
定価:667円+税
ページ数:444ページ
発売年:2010年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月15日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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