うつくしい子ども

本を読んだ感想

石田衣良の傑作長編ミステリー。神戸連続児童殺傷事件をモチーフにした作品である。
13歳の少年が9歳の少女を殺害したことから物語は始まる。少年の家族はバラバラになる中、少年の兄「ジャガ」はなぜ弟が少女を殺害したのか、弟に何が起きたのかを突き止めるべく調査を始める。
中学生の「ジャガ」の一人称の視点と、三人称の「世間」の視点から物語は語られるが、その切り替えが実に巧みで、話に引き込まれる。軽快なリズムで話が進んでいくため、とても読みやすい。
一人の中学生が小学生を殺害するという衝撃的な事件を題材としつつも、あまり重たい内容にはなっていません。それは、純粋でで前向きな性格の主人公ジャガと、ジャガを支える友達がとても美しく描かれいるためだと思います。
弟の心境を理解しようと兄であるジャガが友達とともに世間の風当たりに屈することなく探求していき、成長していく姿はとても感動があります。思春期の少年たちの心理描写がとても丁寧に描かれているため、感情移入しながら読める作品だと思います。
また、本作はミステリー小説であり、謎解きのワクワク感もあるため、全体としての構成がとても上手で、飽きることなく読める作品です。

本の説明

著者:石田衣良
定価:476円+税
ページ数:285ページ
発売年:2001年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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