ふたり

本を読んだ感想

赤川次郎の代表的な小説。
しっかり者の姉・千津子と、姉に頼ってばかりいた妹・実加。ある日、千津子は事故で他界してします。悲しみにくれる実加。しかし、ある日突然、頭の中に姉の声が聞こえてきて、そこから二人の共同生活が始まる。というお話。
本作品は文章が軽く、軽快なテンポで話が進むため、スラスラと読めますが内容はかなり重いです。次々と訪れる不幸や事件で、平凡な日常・平凡な家族が次第に壊れていってしまう過程は読んでいて心が痛いです。それでも、そこまでの息苦しさを感じず作品全体に温かみがあるのは、赤川次郎氏の筆力に他ならないと思います。
姉の死、そしてその後次々と訪れる試練に立ち向かい、乗り越えていく美加の姿がとても美しいです。姉の声を頼りに確実に少しずつ成長していく心優しい美加の姿がとても繊細に丁寧に描かれているため、とても感動的で思わず泣いてしまいます。妹を心配する姉の気持ちに感情移入して、妹の成長を喜びながら読める作品だと思います。
1989年初刊の作品とかなり古い作品ですが、名作は色褪せません。傑作です。続編『いもうと』が2019年に刊行されてますので、面白いと思った方は、ぜひ続編も読んでみてください。

本の説明

著者:赤川次郎
定価:440円
ページ数:304ページ
発売年:1991年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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配送の方法 クリックポスト
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