官僚たちの夏

本を読んだ感想

城山三郎による小説。1960年代の高度経済成長期の通産省を舞台に、政策や人事を巡る政府・財界とのバトルや官僚内部での駆け引きを描いた作品です。テレビドラマもされた超有名な作品です。結構前の作品ではありますが、古臭さなどは全く感じないです。
主人公は型破りな官僚・風越。風越は国家のために身を粉にして働く情熱的な男であり、自らの信念のためには、相手が大臣であろうが誰であろうが、物おじせずはっきりと物申す男。そんな風越の半生を通じて、官僚たちの熱い戦いを描いている。
タイトルの通り、文章から官僚たちの熱気が伝わってきます。国のために必死に汗を流してきた男たちの姿がありのままに描かれていて、志を持って仕事をする美しさを感じます。
また、風越は異色の官僚と言われた佐橋滋氏をモデルに描かれており、当時の官僚たちがいかに国をより良くしようと奮闘していたかを知ると畏敬の念を感じずにはいられません。
そして何より、登場する官僚たちが皆一癖も二癖もあるのが面白いですね。法案可決のためには、昼夜問わず身を粉にして働く風越のような官僚もいれば、定時退社するイマドキの働き方を好む官僚がいたり、その対比がとても面白く描かれていると思います。

本の説明

著者:城山 三郎
定価:552円+税
ページ数:352ページ
発売年:1980年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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