七つの会議

本を読んだ感想

池井戸潤の長編小説。一部上場の大手電機メーカーの子会社である中堅電機メーカー・東京建電で起きたリコール隠蔽事件を描いている。
同じ会社を舞台とした様々な人間模様を各章で異なる登場人物を中心に描いており、7人の物語から構成されている。章ごとに独立して見えた物語が次第に繋がりを持ち、段々とスケールの大きな話になっていく展開が面白い。
各話が終わるにつれ会社の秘密とその真相が徐々に判明していく様は、次の展開が気になって仕方がなかったです。スリリングな展開に話に引き込まれます。
登場人物は多いが、各人の家庭や・生い立ち・会社での立場といったバックグラウンドが丁寧に描いているので混乱なく感情移入が出来ます。だからこそ、大企業の歯車として働き、会社の利益と信念の狭間で苦しむサラリーマンの悲哀がひしひしと伝わってきます。会社員としての苦悩、葛藤などの心理描写がとても巧みで、身につまされる思いでした。
企業人の不条理をリアルに描いており、半沢直樹シリーズとはちょっと違う面白さがあります。ただ、半沢直樹シリーズのような勧善懲悪的な要素も織り込まれてますので、読了後の爽快感はかなりあります。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:池井戸 潤
定価:800円+税
ページ数:496ページ
発売年:2016年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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