ビタミンF

本を読んだ感想

重松清による7つのストーリーからなる短編小説集。どの話も、30代後半の男性を主人公としており、父親であり、夫であり、息子である彼らの悩みや葛藤、苦悩が描かれている。ちょっと重たい話もありますが、全体的に心温まる作品です。
子どものいじめ、男女関係、年老いた両親との関係性など、どこの家庭でも抱えていそうな問題を取り上げているため、リアリティがあり共感できる部分が多い。特に、30代後半から40代の方には刺さる作品だと思う。
ただ単に、問題を解決してめでたしめでたしで終わらないところが妙に現実味があり、この作品の良さだと思います。ただ、完全に解決とはいかないまでも、少しの光明が見えてくる点に救いがあり、読了後の爽快感があります。
様々な悩みを抱えながらも、そこから前に進んでいこうとする主人公たちの姿に、胸が熱くなり、時には感動して泣けます。もう若くなく体力が衰えてくる中で、仕事での重圧に耐えつつ、家庭も支えなくてはならない40代に差し掛かる男たち。
そんな悪戦苦闘する男の姿からは自分も頑張らなくてはと勇気がもらえます。自分がどういう立場にあるかで、感じ方が違う作品だと思いますので、ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:重松 清
定価:514円+税
ページ数:362ページ
発売年:2003年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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