グラスホッパー

本を読んだ感想

伊坂幸太郎の小説。殺し屋三部作の第一作目。
殺し屋業界で暗躍する三人の殺し屋の物語。一人目は妻を殺され、妻への復讐のために殺し屋業界に足を踏み入れた「鈴木」。鈴木は妻殺しの仇が「押し屋」と呼ばれる殺し屋に暗殺される瞬間を目撃する。
二人目は、背が高く「押し屋」との過去の因縁にケリをつけようとする自殺屋の「鯨」。三人目は、大きな野望を抱き殺し屋業界で暴れまくるナイフ使いの若者「蝉」。その三人が「押し屋」なる人物を追う展開で物語は進んでいく。
物語は三人の登場人物それぞれの視点から描かれています。その視点が次々と変わっていくため、テンポが良く、読んでいて飽きないです。ストーリーとしても面白く、色んな仕掛けや伏線回収もあり、どんどん引き込まれます。
そして、その三人のキャラクターが個性的で面白いです。殺し屋なので、全く共感できないような普通の人間とは異なった思考回路をしているのかと思えば、人間味あふれる部分も持ち合わせていたりして、その対比が絶妙なバランスで描かれていて、小説の世界観に引き込まれます。
3人の軽快な台詞回しも読んでいて、面白いです。殺しという重いテーマを扱っていながら、晴れやかな気持ちで読めるのは、その台詞回しが大きいのかなと思います。おすすめの一冊です。ぜひ。

本の説明

著者:伊坂 幸太郎
定価:590円+税
ページ数:345ページ
発売年:2007年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
配送までの日数 2~3日で発送
価格 ¥300