オーデュボンの祈り

本を読んだ感想

伊坂幸太郎による推理小説。作者のデビュー作。伊坂幸太郎の原点にして、伊坂幸太郎ワールドを存分に味わえる作品です。
コンビニ強盗未遂事件を起こし逃走していた主人公の伊藤がたどり着いた場所は、外部との交流を持たない孤高の島“荻島"。
島には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?
物語は、伊藤が島を巡り島民と交流しつつ、不思議な出来事が次から次へと起こることで淡々と進んでいく。島の人たちはとても優しく暖かい雰囲気をまといつつも、何を考えているのか分からない不思議な雰囲気がストーリー全体を覆っている。
更に、不思議な雰囲気で包まれたどこか幻想的な荻島との対比で、現実の世界として仙台での凄惨な出来事が描かれていて、その演出が緊張感を何倍にも膨らませていて、面白い。
序盤はとてもゆっくりと話が進んでいくが、徐々に不思議な世界の謎が少しずつ解き明かされていく展開が、話に引き込まれる。伏線が綺麗に回収されていく展開は圧巻、ワクワクしながら読み進めました。

本の説明

著者:伊坂 幸太郎
定価:670円+税
ページ数:464ページ
発売年:2003年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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