天空の舟 上下巻

本を読んだ感想

宮城谷昌光氏の長編歴史小説。上下全2巻。中国最古の王朝夏が滅び商へと移り変わる戦乱の時代にその革命を支えた伊尹(いいん)という人の物語です。
伊尹の数奇で過酷な生涯を軸に、王朝の交代という革命の渦中の激動の時代、その時代を生きた人々を史料をもとに描いております。
当方、宮城谷氏の作品は太公望に続き、2作品目でしたが、とにかく作者の中国古代に対する造詣の深さ、そして、それを伝える筆力がすさまじいです。文字もなく資料も限られているであろう古代中国という時代を臨場感たっぷりに味わうことが出来ます。
まるで、その時代にタイムスリップし、戦乱の世が持つ莫大なエネルギーを体全体で感じているような感覚に陥るほど、本書の世界観に浸りながら読み進めました。
ストーリーも雄大で、長編ではあるものの、魅力あふれる多くの登場人物が登場しつつ、とてもテンポ良く話が進むので、全く飽きることなく一気に読み切りました。
一点注意して欲しい点としては、古代中国が舞台ということもあり、常用漢字ではない漢字が所々使われております。ただ、辞書などで調べながら読み進めていただければ、すぐに慣れて、気にならなくなっていくかと思います。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:宮城谷 昌光
定価:543円+税
ページ数:上巻 422ページ、下巻 404ページ
発売年:1993年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年1月29日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 傷や汚れあり
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