隠蔽捜査

本を読んだ感想

今野敏著の警察小説シリーズ。テレビドラマ化もされた超人気シリーズの一作目です。
警察小説と言えば、現場の刑事の活躍を描いたものが多いですが、本シリーズは警視庁のキャリア官僚の活躍を描いているという点で、これまでの警察小説とは一線を画しております。警察組織内でのキャリアとノンキャリアの確執といったリアルな人間関係が等身大で描かれていて面白いです。
主人公は東大出身のキャリア官僚・竜崎伸也。東大以外は大学ではないと豪語する竜崎はとても癖が強い人間で、最初のうちは、あまり竜崎に親しみを感じない人も多いと思います。
しかし、竜崎には揺るぎない信念があり、官僚として正義を貫こうとする固い意思があります。読めば読むほど、竜崎の一見不器用だけど、筋の通った生き方に魅了され、格好良く見えてきます。竜崎以外の登場人物も一癖も二癖もあって、面白いです。
本作では、そんな主人公を揺さぶる二つの隠蔽が描かれています。その二つを巡って、竜崎と周囲の人物の心理描写が丁寧に描かれているので、臨場感があり、話に引き込まれます。そして、その二つの隠蔽に対して立ち向かっていく竜崎の姿がとにかく格好いい。爽快な気分で読み進めることが出来ます。

本の説明

著者:今野 敏
定価:590円+税
ページ数:409ページ
発売年:2008年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月8日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300