警視庁情報官 トリックスター

本を読んだ感想

濱 嘉之の警察小説。警視庁情報官シリーズの第3弾です。
警視庁が秘密裏に組織した情報部門のプロ集団『警視庁情報室』を舞台に、そこのエース情報官である黒田の活躍を描いた作品です。シリーズものではありますが、本作から読み始めても全く問題なく読める作品だと思います。
今回は詐欺事件が発端となり、国会議員や暴力団、新興宗教へと事件が波及していきます。無関係に思えた複数の事件に隠された複雑な関係性が徐々に明るみになる展開は、この先どうなっていくのかというワクワク感があります。
今作は事件のスケールがかなり大きくなっています。それでも、現実味がしっかり伴っているところは、元公安の著者だからこそなせる業だと思います。文章も非常に読みやすく話に引き込まれます。
そして、今回も黒田の奮闘が格好いいです。幅広い人脈を生かし、情報を集め、その情報を分析し、徐々に犯人を追い詰めていく展開はテンポがよく、楽しく読み進めることが出来ます。理論の飛躍や矛盾点を感じることなく事件を解決していくので、読了後の爽快感が気持ちいいです。また、今作は登場人物の人間味を感じる描写が多く、黒田はもちろんのこと、その他の登場人物も大変魅力的に感じると思います。

本の説明

著者:濱 嘉之
定価:676円+税
ページ数:432ページ
発売年:2011年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月8日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300