阪急電車

本を読んだ感想

有川浩の連作短編小説集。この作品は実在する路線である阪急今津線を題材に、その宝塚 - 西宮北口間の8つの駅を舞台とし、偶然乗り合わせた乗客が織り成す様々なエピソードを、1往復に当たる全16話で描いた作品です。沿線を利用する人はもちろん、利用しない人も楽しめる作品です。
一つ一つのエピソードが短く、コンパクトにまとまっているのでとても読みやすい作品です。文章も平易で、話もテンポよく進むため心地良い気分で読み進めることが出来ます。
また、章ごとに、中心的に描かれる人物が移り変わっていくので、各章が新鮮で、飽きることなく最後まで楽しく読めます。中心人物の心の機微が丁寧に描かれているので、感情移入してしまいます。
短編集ではありますが、それぞれのエピソードにつながりがあるのが面白いです。偶然乗り合わせただけの乗客の人生が交差するなんて普段の電車であれば起こり得ないのに、ちょっとした出来事を機に、それぞれの人生が少しずつ交差し、その後の人生の大きなきっかけを与えてくれる。とても素敵です。
色んな登場人物の様々なエピソードが描かれていますが、どのエピソードもどこか温かな空気に包まれており、読了後は自然と笑顔になれるような作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:有川 浩
定価:533円+税
ページ数:269ページ
発売年:2010年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月8日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300